よこはま乳がん学校とは

 

 日本における乳がんの患者数は増加の一歩をたどり、最新の統計では年間8万人を超えています。特に家庭や職場で中心的役割を担う世代の40歳後半から50歳代で発見されることが多く、治療に伴う身体的、精神的ストレスの大きさは計り知れません。

 

「全人的な乳がん診療」を実践するためには、手術や化学療法などの最新治療はもちろんのこと、診断から周術期のメンタルケア、治療に伴う副作用対策、高額医療制度などの社会的支援、治療終了後の就労支援に至るまで幅広い知識が必要となってきます。


もちろん、これらすべての情報を、主治医が一人で患者さんへ提供するのは不可能です。そのためには看護師、薬剤師、医療ソーシャルワーカーなど多くのメディカルスタッフによるサポートが必要となります。

 

近年、「チーム医療」という言葉を多く目にしますが、実際の医療現場における「チーム医療の実践」については、多くの施設で試行錯誤を繰り返しているのが現状だと思います。

 

 よこはま乳がん学校は「患者中心の実践的なチーム医療を推進する」ことを目的として、2007年7月に横浜市立大学乳がん学校として開校いたしました。

 

第5期生までの5年間は神奈川県内を中心に活動してきました。2012年からは活動の場を日本各地へ広げていくために、名称をよこはま乳がん学校と変更し、2012年10月からは青森乳がん学校、2015年2月からは沖縄乳がん学校を開校して、「地域に根ざしたチーム医療」を創っています。

 

乳がん学校の特徴は、実際の医療現場で乳がん患者さまに接する医師、看護師、薬剤師、診療放射線技師、臨床検査技師、理学療法士、医療ソーシャルワーカー、管理栄養士、臨床心理士など多く専門職が同一の場で講義を受けて、その知識をグループワークで実践することにあります。

 

今までに、よこはま乳がん学校で388名、青森乳がん学校で93名、沖縄乳がん学校で73名の仲間たちが一緒に勉強し、それぞれの医療施設でチーム医療の先駆者として活躍されています。

 

2014年度からはNPO法人神奈川乳癌研究グループからのご支援をいただき、いよいよ横浜での本講座(4日間)がリニューアルして復活します。

 

第6期生となる今年度は約60名の受講生を募集いたします。より多くの施設から、より多くの職種の方にご応募いただければと思っております。

 

 乳がん学校の校訓である「病を診る治療だけではなく、人を看る診療を大切にする」を大切にしながら、日本の乳がん患者さまはもちろんのこと、がんと闘う患者さまとその家族へ、より多くの「勇気」と「元気」を届けられれば、それはまさしく「乳がん学校の精神」に叶うものと確信しております。

 

 

よこはま乳がん学校実行委員長

千島 隆司